野津鎮雄(読み)のづ・しずお

朝日日本歴史人物事典 「野津鎮雄」の解説

野津鎮雄

没年:明治13.7.21(1880)
生年天保6.9.5(1835.10.26)
明治前期の陸軍軍人薩摩(鹿児島)藩士野津鎮圭の子。陸軍元帥野津道貫の兄。薩英・戊辰戦争を経て,明治4(1871)年薩長土3藩の兵士により,明治政府の最初の直属軍隊御親兵が編成されると,薩藩の大隊長を務める。5年陸軍少将,7年佐賀の乱に際して,大阪鎮台歩兵2個大隊などを率い,大久保利通指揮の下,政府軍による佐賀城奪回に貢献した。乱後熊本鎮台司令長官,東京鎮台司令長官を歴任。10年西南戦争では,第1旅団司令長官を務め,博多から熊本に進撃するが,西郷軍の抵抗で,田原坂の戦に17日間を費やし,熊本城入城では,黒田清隆率いる八代からの背面攻撃軍に先を越された。11年中将に進む。<参考文献>黒竜会編『西南記伝』中

(山村義照)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「野津鎮雄」の解説

野津鎮雄 のづ-しずお

1835-1880 明治時代の軍人。
天保(てんぽう)6年9月5日生まれ。野津道貫の兄。もと薩摩(さつま)鹿児島藩士。戊辰(ぼしん)戦争に参加。維新後,兵部省に出仕。明治5年陸軍少将となり,7年佐賀の乱の鎮圧につくす。のち熊本,東京の鎮台司令長官。西南戦争では征討第一旅団司令長官をつとめた。11年中将。明治13年7月21日死去。46歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android