デジタル大辞泉
「野心」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
や‐しん【野心】
〘名〙
① (形動) 山犬や狼の子が、人に飼われても野にあった時のことを忘れず、
飼主を害そうとする荒い心。馴れ親しまないで他を害そうとする心。また、そのように思うさま。
※三教指帰(797頃)下「但野心難レ改、情懐二猶予一」
※
太平記(14C後)一「或は又其子を質に出して野心
(ヤシン)の疑を散す」 〔春秋
左伝‐宣公四年〕
②
謀叛を起こそうとする心。また、身分不相応なよくない望み。たくらみ。
※
吾妻鏡‐元暦二年(1185)五月二四日「全不
レ二野心
一之旨、奉
レ請
二驚日本国中大小神祇冥道
一」
③ ひそかに抱いている、あるいは、その人に不相応な望み。また、新しい大胆な試みにとり組もうとする気持。
※親長卿記‐文明六年(1474)四月三日「仍懸レ橋自他人々往反云々。凡大慶歟。且無為珍重。但不レ知二心中之野心一」
④
仕官をいとい、民間に隠れようとする心。田園生活を楽しもうとする心。〔
宋書‐王僧達伝〕
⑤ いやしい心。野卑な心。また、自分の心をへりくだっていう。
※
性霊集‐四(835頃)進悉曇等書表「毎
レ見
二〈略〉杜氏草勢
一、未
三甞不
二野心忘
レ憂、山情含
一レ笑」
の‐ごころ【野心】
〘名〙
①
鳥獣、特に、鷹などが自由な野生生活を慕って飼主になつかないこと。
※定家鷹三百首(1539)春「春の日のうららかにある荒鷹や野心もなくやかて見ゆらん」
※俳諧・毛吹草(1638)六「花の比は野心つかぬ人もなし〈意敬〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「野心」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報