重厚(読み)じゅうこう

精選版 日本国語大辞典 「重厚」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐こう ヂュウ‥【重厚】

〘名〙 (形動)
① 物が、重くて厚みがあること。また、そのさま。
暦象新書(1798‐1802)中「其質重厚なるが故に、分子相引の力も強し」
事物状態性格などが重々しく厚みのあること。どっしりして篤実なこと。落ち着いて実直なこと。また、そのさま。
文華秀麗集(818)中・賦得漢高祖〈仲雄王〉「絳侯重厚者、劉氏遂安寧」
子規の画(1911)〈夏目漱石〉「其処に重厚(ヂュウコウ)好所があるとすれば」 〔史記‐高祖本紀〕

かさね‐あつ【重厚】

〘名〙 刀身に厚みがあり、反(そり)を打って棟(むね)角度を持っていること。また、その刀。
※諸国鍛冶寄(1614頃か)「鍛は月山の如くにて、刃こみたれかさねあつに庵中正銘也」
人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)初「腰に帯せる一刀は、〈略〉重(カサ)ね厚(アツ)なる古刀名作

ちょう‐こう【重厚】

〘名〙 (形動) =じゅうこう(重厚)
行人(1912‐13)〈夏目漱石〉塵労「君のやうな重厚(チョウコウ)人間から見たら」

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デジタル大辞泉 「重厚」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐こう〔ヂユウ‐〕【重厚】

[名・形動]人や事物の性質・状態などが重々しくて落ち着いていること。どっしりしていること。また、そのさま。ちょうこう。「重厚人柄」「重厚作品
[派生]じゅうこうさ[名]
[類語]厳か厳粛粛粛厳然森厳荘厳荘重重重しい物物しい厳めしい厳としてげん重量感どっしりずっしりずしりずしっとどっかとがっしり重み広量堂堂大度太っ腹マッシブ

ちょう‐こう【重厚】

[名・形動]じゅうこう(重厚)

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普及版 字通 「重厚」の読み・字形・画数・意味

【重厚】じゆう(ぢゆう)こう

おちついて重々しい。〔史記、高祖紀〕陳は智餘りるも、~以て獨り任じし。勃は重厚にして(かざ)り少なし。然れども劉氏を安んずるは必ず勃ならん。太尉爲(た)らしむべし。

字通「重」の項目を見る

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「重厚」の解説

重厚 じゅうこう

井上重厚(いのうえ-じゅうこう)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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