酸水素炎(読み)サンスイソエン

デジタル大辞泉 「酸水素炎」の意味・読み・例文・類語

さんすいそ‐えん【酸水素炎】

酸素水素混合ガスを点火したときの炎。摂氏2500度くらいの高温になる。人造宝石製造金属溶接などに使用酸素水素炎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「酸水素炎」の意味・読み・例文・類語

さんすいそ‐えん【酸水素炎】

〘名〙 溶接に用いる、圧縮した酸素と水素の混合ガスによる炎。温度は摂氏二四〇〇~二七〇〇度で金属材料の溶接、溶断、また人造宝石の製造などに用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

化学辞典 第2版 「酸水素炎」の解説

酸水素炎
サンスイソエン
oxyhydrogen flame

水素ガスを燃料,酸素ガスを酸化剤として燃焼反応を行わせたとき生じる火炎をいう.燃料中に炭素を含まないので,炎は透明,また発熱量が大きいので火炎温度も高い.反応に関与する化学種の種類と数が少ないため,火炎中で起こる化学反応の機構はよく解明されていて,研究も多い.普通,酸水素炎の生成する限界(発火限界)は,温度と圧力を座標にとって図示すると次のようになるが,このなかで,第三限界は発熱放熱の釣合いにもとづいた熱機構で説明され,第一および第二限界の主要部分は,次のような素反応で与えられる活性化学種の生成と消滅に基礎をおいた連鎖機構で説明される.

ただし,Mは第三体である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「酸水素炎」の意味・わかりやすい解説

酸水素炎
さんすいそえん
oxyhydrogen flame

水素と酸素をそれぞれ高圧容器からバーナーに導き、混合して点火すると得られる炎。2400℃以上の高温度が得られ、燃焼生成物が水だけであることから、不純物混入を嫌う金属の溶接、石英融解、人造宝石の製造などに利用される。

[岩本振武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酸水素炎」の意味・わかりやすい解説

酸水素炎
さんすいそえん
oxyhydrogen flame

水素ガスと酸素を高圧で混合して燃焼すると得られる炎。 2400~2700℃の高熱を発生する。酸素アセチレン炎より低いが,生成物が水で,無公害であり,よけいな夾雑物を対象物に与えない点で,人造宝石の製造などに用いられ,金属の溶接,切断にも多用される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「酸水素炎」の意味・わかりやすい解説

酸水素炎【さんすいそえん】

吹管を用いて酸素と水素とを混合し,これを燃焼させたとき得られる炎。炎の温度は通常約2500℃,条件によっては3000℃に達する。金属の溶接や切断,人造宝石の製造,ロケットエンジン,炎発光分光法による化学分析などに使用。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android