酵素前駆体(読み)コウソゼンクタイ

デジタル大辞泉 「酵素前駆体」の意味・読み・例文・類語

こうそ‐ぜんくたい〔カウソ‐〕【酵素前駆体】

生体内で不活性な状態で産生された酵素。何らかの生化学的変化を受けることで活性化する。ペプシンの前駆体であるペプシノゲンリパーゼの前駆体であるプロリパーゼなどがある。酵素先駆体チモーゲン

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「酵素前駆体」の解説

酵素前駆体
コウソゼンクタイ
enzyme precurser

ある種の酵素は,不活性な型で組織内で産生され,分泌後活性化され,酵素作用を発現する.この不活性型酵素を酵素前駆体といい,通常,活性型酵素名の前にプロ(pro)を付けるか後にノーゲン(nogen)を付けてよばれることが多い.活性化は H,OHなどにより非酵素的に行われる場合と,ほかの酵素またはその酵素自身の作用によって行われる.たとえば,タンパク分解酵素トリプシンの前駆物質トリプシノーゲンは,トリプシン自身またはエンテロキナーゼの作用により,ヘキサペプチドを遊離してトリプシンとなる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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