精選版 日本国語大辞典 「酢漿草・酸漿草」の意味・読み・例文・類語
かたばみ【酢漿草・酸漿草】
〘名〙
① カタバミ科の多年草。各地の庭や道ばたに生える。茎は地をはい、または斜めに立って、長さ一〇~三〇センチメートルになる。全体に細毛を生じる。葉は長柄をもち、三個の小葉からなる複葉。各小葉は長さ約一センチメートルの倒心臓形。夜は葉を閉じる。春から夏にかけ葉腋(ようえき)から花茎をのばし、黄色の五弁花を開く。果実は円柱形で、熟すと裂開し種子を飛散させる。茎および葉は蓚酸(しゅうさん)を含有し酸味があり、疥癬などに薬効がある。葉が紫紅色を帯びる変種にアカカタバミ、ウスアカカタバミがある。漢名、酢漿草。すいものぐさ。すずめのはかま。すぐさ。《季・夏》
※新撰字鏡(898‐901頃)「若 壮若也 加太波美」
② 文様の名。また、紋所の名。カタバミの葉、花、実などを組み合わせたもの。酢漿草、剣酢漿草、四つ酢漿草、蔓酢漿草、比翼酢漿草、三つ割剣酢漿草などがある。
※能因本枕(10C終)三〇二「紋は葵かたはみ」
③ 緒の結び方の一つ。カタバミの葉の形に結ぶもの。
⑤ 植物「でんじそう(田字草)」の異名。〔大和本草(1709)〕
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