鄭伯奇(読み)ていはくき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鄭伯奇」の意味・わかりやすい解説

鄭伯奇
ていはくき / チョンパイチー
(1895―1979)

中国作家。筆名何大白など。陝西(せんせい)省長安県出身。1917年(大正6)日本に留学し旧制三高、京都帝国大学文学部などに学ぶ。少年中国学会会員。三高在学中に創造社に参加し、22年愛国的情緒の濃い処女作『最初授業』を発表した。26年帰国。創造社のなかでつねに中堅の位置を占め活躍した。29年上海(シャンハイ)芸術劇社を組織、30年中国左翼作家連盟に加入し、その後、明星影片公司編劇顧問を務めるなど無産階級演劇映画運動の発展に貢献した。編集者としても優れ『中国新文学大系』『毎月文庫』などの編纂(へんさん)にも従事した。解放後は中国作家協会理事などを務めた。著書に戯曲集『抗争』(1928)、短編集『灯火機』(1936)などがある。

[小谷一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鄭伯奇」の意味・わかりやすい解説

鄭伯奇
ていはくき
Zheng Bo-qi

[生]光緒21(1895).6.11.
[没]1979.1.25.
中国の小説家劇作家陝西省の人。日本に留学,京都大学文学部卒業。創造社,左翼作家連盟などで活躍,解放後も文芸工作に従事した。現実をきびしく暴露する作風で活躍。代表作は『最初の授業』『忙しい人』など。また『中国新文学大系』の『小説三集』の編集を担当した。短編集『打火機』 (1936) 。

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