(読み)ひな

精選版 日本国語大辞典 「鄙」の意味・読み・例文・類語

ひな【鄙】

〘名〙
① 都から遠く離れた所。いなか。
古事記(712)下・歌謡上つ枝は 天を覆へり 中つ枝は 東を覆へり 下づ枝は 比那(ヒナ)を覆へり」
未開土地住民支配が及んでいない土地の住民。
書紀(720)崇神一一年四月(北野本訓)「四道(よものみち)将軍(いくさのきみ)戎夷(ヒナ)を平(たひら)げたる状(かたち)を以(も)て奏(まう)す」

かたな・む【鄙】

〘他マ四〙 相手身分がいやしいとして、軽蔑する。いやしめる。
※大唐西域記長寛元年点(1163)三「隣境諸国、其の賤しき種(やから)なりといふことを鄙(カタナム)で、与に交親しむこと莫し」

ひ【鄙】

〘名〙
① いやしいこと。いなかびて下品なこと。〔古詩‐為焦仲卿妻作〕
② いなか。ひな郊外。〔国語‐斉語〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「鄙」の意味・読み・例文・類語

ひな【×鄙】

都から離れた土地。田舎。「にはまれなしゃれた店」
[類語]田舎在所在郷ざいごう在地在方ざいかた近在田園地方辺地辺境僻地へきち僻陬へきすう辺鄙奥地辺土ローカル片田舎鄙びる草深い

ひ【鄙】[漢字項目]

[音]ヒ(呉)(漢) [訓]ひな ひなびる
都市部から離れた地。いなか。「都鄙辺鄙
いなかっぽい。ひなびている。つまらなく卑しい。「鄙語鄙俗鄙劣鄙陋ひろう鄙猥ひわい野鄙
自分のことをへりくだっていう語。「鄙見
[補説]3は「」と通用する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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