都林泉名勝図会(読み)みやこりんせんめいしようずえ

日本歴史地名大系 「都林泉名勝図会」の解説

都林泉名勝図会
みやこりんせんめいしようずえ

五巻六冊 秋里籬島

成立 寛政一一年

分類 地誌

版本 国会図書館京都大学図書館

解説 京都の著名な社寺庭園を図説したもの。本書の林泉図並びに解説については、考現学上の評価がまちまちであるが、なかには今はなき名刹の庭園図も多く含まれており注目される。後編予告をしたが刊行されなかった。

活字本 新修京都叢書第九巻

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「都林泉名勝図会」の意味・わかりやすい解説

都林泉名勝図会
みやこりんせんめいしょうずえ

江戸後期の京都名園案内。秋里籬島(あきざとりとう)(籬島軒)著。1799年(寛政11)刊。全五巻だが、第一巻を乾(けん)・坤(こん)の二冊に分けているので六冊本。京都の庭園や茶亭などを142の写生図によって紹介し、それに説明文を付す。木版画の画工名として佐久間草偃(さくまそうえん)、西村梅渓(ばいけい)、奥文鳴(おくぶんめい)の3名をあげる。奥付には「寛政十一己未歳」の発行年と、六角通(ろっかくどおり)御幸町西入の地名、版元小川多左衛門の名がある。本書は当時のいわゆるベストセラーであり、版を重ねたため、文字の不鮮明なものも多い。現在も残っている京都の庭園などの比較・研究などに、今日でも有益な書である。

[重森完途]

『井口洋校訂『都林泉名勝図会』(1975・柳原書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android