都市型公害(読み)としがたこうがい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「都市型公害」の意味・わかりやすい解説

都市型公害
としがたこうがい

都市特有の公害現象で,自動車や暖房などによる大気汚染,生活排水などによる河川汚濁,自動車その他の交通機関,建設工事,近隣などから発生する騒音など。その特色は,(1) 発生源が主として消費,使用,廃棄物処理の過程にあること,(2) 発生源が,小規模であるが広範囲に,高密度に存在すること,(3) 下水道などの都市施設の不備と,自動車のような新しい公害発生源の激増による被害が混在すること,(4) 消費し,使用する側は,自動車,中性洗剤など公害発生源であることを知りながら,他の選択ができないこと,また発生源ごとの対策が困難なこと,(5) 被害を受ける側も高密度に居住しているため,被害者が多数となることなどである。このような都市型公害に対処していくため,各地公害防止計画が策定されるとともに,有害物質などの排出に対して総量規制制度がいくつかの分野で導入されている。

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