郁子(読み)むべ

精選版 日本国語大辞典 「郁子」の意味・読み・例文・類語

むべ【郁子】

〘名〙 アケビ科のつる性常緑低木。本州の関東以西、四国、九州の暖地山中に生え、庭木盆栽ともする。葉は長柄をもち、掌状複葉で、五~七枚の小葉からなる。各小葉は長楕円形または倒卵形雌雄同株。五月ごろ、白または淡紅紫色の花を三~七個下向きにつける。果実卵円形で長さ約五センチメートル、暗紫色に熟し甘く生食される。茎・根は利尿薬になる。漢名に野木瓜をあてる。うべ。うむべ。ときわあけび。《季・秋》
▼むべの花《季・春》 〔二十巻本和名抄(934頃)〕

いく‐し【郁子】

〘名〙 植物むべ(郁子)」のこと。
延喜式(927)三一「諸国例貢御贄〈略〉近江〈郁子、氷魚、鮒、鱒、阿米魚〉」

うべ【郁子】

〘名〙 =むべ(郁子)《季・秋》
▼うべの花《季・春》 〔本草和名(918頃)〕

うえ うへ【郁子】

〘名〙 =むべ(郁子)色葉字類抄(1177‐81)〕

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デジタル大辞泉 「郁子」の意味・読み・例文・類語

むべ【郁子/野瓜】

アケビ科の蔓性つるせいの常緑低木。山地に生え、葉は手のひら状の複葉。5月ごろ、雄花雌花とをつける。実は熟しても裂けず、生食される。ときわあけび。うむべ。うべ。 秋 花=春》「―の門くぐりてつねのごと帰る/素逝」

うべ【郁子】

アケビ科の植物ムベ別名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「郁子」の解説

郁子 (ムベ・イクシ;ウヘ;ウベ;ウムベ;ムヘ)

学名Stauntonia hexaphylla
植物。アケビ科の常緑つる性植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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