那珂川(市)(読み)なかがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「那珂川(市)」の意味・わかりやすい解説

那珂川(市)
なかがわ

福岡県西部にある市。2018年(平成30)10月1日筑紫郡(ちくしぐん)那珂川町が市制施行して成立。那珂川町は1956年(昭和31)安徳(あんとく)、岩戸(いわど)、南畑(みなみはた)の3村が合併して町制施行。脊振(せふり)山地北斜面に位置し、那珂川が中央部を北流して北部に谷底平野を形成、国道385号が佐賀県に通じ、九州新幹線と新幹線の延長であるJR博多南線が博多と結ぶ。主産業は農林業で、稲作のほかホウレンソウなどの野菜栽培や酪農が盛んで、スギヒノキなど木材の産出も多い。清流利用のワサビ栽培、ニジマス養殖も行われるが、福岡市への通勤者が多く、北部は住宅地化している。那珂川上流の釣垂峡(つたるきょう)は筑紫耶馬渓(ちくしやばけい)とよばれる景勝地で、南畑ダムとともに脊振雷山(らいざん)県立自然公園に含まれ、行楽客が多い。伏見神社(ふしみじんじゃ)の岩戸神楽(かぐら)は県の無形民俗文化財に指定されている。面積74.95平方キロメートル、人口5万0112(2020)。

[石黒正紀]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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