遺恨(読み)いこん

精選版 日本国語大辞典 「遺恨」の意味・読み・例文・類語

い‐こん ヰ‥【遺恨】

〘名〙
① 残念に思うこと。思いをのこすこと。心残り。遺憾
田氏家集(892頃)下・春風歌「消除遺恨柳眉開」
無名抄(1211頃)「いる日をあらふといひ、月おちかかるといへる、いみじきことばなれど、むねこしの句をばえいひかなへず遺恨の事なり」 〔陸機
② 恨み。忘れられない憎しみ宿怨(しゅくえん)
※康頼宝物集(1179頃)下「年来又遺恨無して過つるに、如何に瓶の中に形好女を隠し置て」
浄瑠璃伽羅先代萩(1785)七「此義意恨(イコン)の元とならば、終(つい)には両家の不和となって」 〔後漢書‐王常伝〕

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デジタル大辞泉 「遺恨」の意味・読み・例文・類語

い‐こん〔ヰ‐〕【遺恨】

忘れがたい深いうらみ。宿怨しゅくえん。「遺恨を晴らす」「遺恨試合」
残念に思うこと。
「極めたる―の事になん」〈今昔・一二・二三〉
[類語]恨み怨恨逆恨み私怨怨念恨めしい怨嗟えんさ意趣宿意宿怨しゅくえん宿恨積怨せきえん旧怨きゅうえんあだ憎しみ復讐心ふくしゅうしん

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普及版 字通 「遺恨」の読み・字形・画数・意味

【遺恨】い(ゐ)こん

心に残るうらみ。〔後漢書、王常伝〕陛下河北位すと聞く。~今闕御所)を見ることを得て、死すとも恨無し。

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