遺伝子ライブラリー(読み)イデンシライブラリー

化学辞典 第2版 「遺伝子ライブラリー」の解説

遺伝子ライブラリー
イデンシライブラリー
gene library

特定の種のゲノムDNA制限酵素などで適当な長さに切断すると得られる断片を,ファージベクターに組み込んだもの.ファージ大腸菌に感染させることにより増幅することができる.これをもとに,望む遺伝子図書館で本を探すように取り出すことができることからライブラリーという.このほかに,特定の細胞や組織由来のmRNA逆転写酵素cDNAとし,それをプラスミドベクターやファージベクターに組み込んだcDNAライブラリーがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遺伝子ライブラリー」の意味・わかりやすい解説

遺伝子ライブラリー
いでんしライブラリー
gene library

遺伝子の構造機能研究する基となるもので,染色体を構成する DNAを各種の制限酵素を用いて分断し,それらをベクターに組み込み,増殖させた遺伝子断片のクローンのこと。この遺伝子ライブラリーから目的とする遺伝子を持つ断片を選択して,遺伝子の解析等の研究に利用される。

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世界大百科事典(旧版)内の遺伝子ライブラリーの言及

【組換えDNA】より

…DNA断片をプラスミドやウイルスに組み込むためには,制限酵素によるプラスミドDNAの切断と,リガーゼによる遺伝子DNA断片とプラスミドDNAの結合反応を行わせ,その結果組換えDNAが形成する。ある生物種の全DNAを断片化し,プラスミドにそれぞれ組み込ませたものを,遺伝子ライブラリー(図書館)という。特定遺伝子は,通常ライブラリーのなかから探索する。…

※「遺伝子ライブラリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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