遵行(読み)じゅんぎょう

精選版 日本国語大辞典 「遵行」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐ぎょう ‥ギャウ【遵行】

〘名〙
塵芥(1510‐50頃)「遵行 シュンキャウ」
② 鎌倉後期・室町時代幕府が押領停止など裁判の判決内容などの具体的な執行処置を命ずること。またその命を受けた守護・守護代が守護使を派遣して現地の引渡しなど、その執行をすること。
※神宮文庫文書‐弘安元年(1278)一〇月二七日・大神宮司庁宣「先日加下知之処、不行其旨
※間藤文書‐明徳三年(1392)一〇月五日・陶弘宣打渡状「紀伊国名草郡重祢郷願成寺免田畠事、九月廿六日任御遵行之旨
[補注]「色葉字類抄」では「遵行 ズンギャウ」と表記されている。

じゅん‐こう ‥カウ【遵行】

〘名〙
① 従い行なうこと。守り行なうこと。じゅんぎょう。
続日本後紀‐承和八年(841)一〇月七日「是則徒設条章、曾不遵行之所致也」
改暦の詔‐明治五年(1872)一一月九日「太陽暦を用ひ、天下永世之を遵行せしめん」

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デジタル大辞泉 「遵行」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐こう〔‐カウ〕【遵行】

[名](スル)命令・きまりなどに従って行うこと。
「藩の士人の能くこれを―するものは少い」〈鴎外渋江抽斎

じゅん‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【遵行】

室町時代、守護が幕府執政者からの命を受けて下に伝えること。

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普及版 字通 「遵行」の読み・字形・画数・意味

【遵行】じゆんこう

遵守する。

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