適当・的当(読み)てきとう

精選版 日本国語大辞典 「適当・的当」の意味・読み・例文・類語

てき‐とう ‥タウ【適当・的当】

〘名〙 (形動)
① (的当) (━する) ずばり言い当てること。端的に説示すること。他の方便を用いないで直接に指示すること。
※正法眼蔵(1231‐53)夢中説夢「直指(ぢきし)は説夢なり、的当は説夢なり」
※旧習一新(1875)〈増山守正〉上「卜筮本意は〈略〉鬼神と響応感通して、暗合冥契するの趣意に原きたる者故、上古淳直の世にては的当したるやら知るべからず」
② (━する) ある状態・目的・要求などにうまくあうこと。ほどよくあてはまること。ふさわしいこと。また、そのさま。相当。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)四「事をなすことをあてて、適当するやうにせんと思ときは、不已無心よりしてする也」
硝子戸の中(1915)〈夏目漱石〉三〇「私の健康状態を云ひ現はすべき適当(テキタウ)な言葉は、他に何うしても見付からなかった」 〔魏志‐鍾繇伝〕
③ うまくその場を取り繕い、しのぐこと。また、いいかげんなこと。また、そのさま。
※歪んだ自画像(1963)〈阿川弘之〉「適当にインチキをされて私はいい鴨であったのかも知れない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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