遠見番所(読み)トオミバンショ

デジタル大辞泉 「遠見番所」の意味・読み・例文・類語

とおみ‐ばんしょ〔とほみ‐〕【遠見番所】

遠見番人詰め所
江戸幕府が沿岸各地に設けた、外国船を見張るための番所

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精選版 日本国語大辞典 「遠見番所」の意味・読み・例文・類語

とおみ‐ばんしょ とほみ‥【遠見番所】

〘名〙
遠見番がつめて見張りをする場所。
※新田老談記(17C中‐後か)中「其上足利遠見番所の早鐘の音けはしく相聞候」
江戸時代異国船渡来を監視し警備態勢を固めるため、沿岸各地の見晴らしのよい場所に設けた番所。寛永一五年(一六三八)、幕府長崎半島の先端部の野母村長崎市野母町)の日ノ山(権現山)に設けて、異国船が百浬内外まで進入すると、直ちに長崎に合図で通報させたのが初まり。台場。
※俳諧・江戸新八百韻(1756)「蛎は真水に塩の八百会米仲〉 渚より遠見番所の灯も暮て〈龍眠〉」

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改訂新版 世界大百科事典 「遠見番所」の意味・わかりやすい解説

遠見番所 (とおみばんしょ)

通行人船舶不法行為を見張る施設で,とくに江戸時代の関所,番所,港湾等の付属機関となっていた。長崎港外に設けられた遠見番所は,事前に唐船の入津を探知するためのもので,これを白帆注進といった。1720年(享保5)までの下田番所の遠見番所は船舶の検閲のほか,航行の安全を保つ役割もあった。東海道箱根関の遠見番所は旅人の抜道を監視し,中山道碓氷関に付属する堂峯番所も同様の意味があった。
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