遠羅天釜(読み)おらてがま

精選版 日本国語大辞典 「遠羅天釜」の意味・読み・例文・類語

おらてがま をらてがま【遠羅天釜】

臨済宗白隠慧鶴述作の仮名法語集。三巻。延享四年(一七四七成立書名は彼が愛用していた茶釜の名による。平易に禅の要義を説いたもので、後に改版されたとき続編が加えられた。

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デジタル大辞泉 「遠羅天釜」の意味・読み・例文・類語

おらてがま〔をらてがま〕【遠羅天釜】

江戸中期の仮名法語集。3巻。寛延2年(1749)刊。白隠慧鶴はくいんえかく著。禅に対する考え方武士参禅病中修行用意、さらに法華経観を語ったもの。遠羅天賀麻。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「遠羅天釜」の意味・わかりやすい解説

遠羅天釜
おらてがま

江戸中期の禅僧白隠慧鶴(はくいんえかく)が著した仮名書きの法語。書名は、白隠が常用した茶釜(ちゃがま)の名にちなむ。生前にも二度出版され広く読まれた。初版は1749年(寛延2)に出版され、養生(ようじょう)法としての内観(ないかん)の修行法に始まり参禅一般の注意を説いた「答鍋島摂州殿下近侍書」、病中の修行の用心を説いた「遠方ノ病僧ニ贈リシ書」、そして『法華経(ほけきょう)』に関する疑問に答えた「法華宗ノ老尼ニ贈リシ書」およびその付録1編を付した三巻本であった。再版は2年後で、白隠の弟子慧梁(えりょう)によって初版本に「答念仏与公案優劣如何問書」「答客難」が増補された。

船岡 誠]

『白隠和尚全集編纂会編『白隠和尚全集 第5巻』(1934~35・龍吟社)』『伊豆山善太郎訳注『遠羅天釜』(1984・春秋社・仮名法語白隠文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遠羅天釜」の意味・わかりやすい解説

遠羅天釜
おらてがま

江戸時代の臨済宗僧白隠慧鶴 (はくいんえかく) の著書。3巻,続集1巻。寛延2 (1749) 年刊。坐禅に対する白隠の思想を知るうえに重要な書物。このなかで動中の工夫,不断坐禅を説き,上は君主や武士から下は農民女子にいたるまで,それぞれの職業仕事のうえに不断坐禅を生かしていくべきであるとしている。

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