遠称(読み)えんしょう

精選版 日本国語大辞典 「遠称」の意味・読み・例文・類語

えん‐しょう ヱン‥【遠称】

〘名〙 文法で、指示代名詞のコ・ソ・アの三区分うち、アにあたる指し方。話し手相手とから共通に離れた事物場所方向について指す。この代名詞は、口語では「あれ・あいつ・あそこ・あちら」など、文語では「かれ・かしこ・かなた」など。→近称中称不定称。〔語法指南(1889)〕

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デジタル大辞泉 「遠称」の意味・読み・例文・類語

えん‐しょう〔ヱン‐〕【遠称】

文法で、指示代名詞のうち、話し手・聞き手のいずれからも離れた事物・場所・方向を示すもの。口語の「あれ」「あそこ」「あちら」、文語の「」「かしこ」「かなた」「あなた」など。→近称中称不定称

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世界大百科事典(旧版)内の遠称の言及

【チベット語】より

…文語にも敬語形式が認められるが,とくにラサ方言では豊富な敬語形式と複雑な用法を発達させた。以上のほかに,少なくともラサ方言の特徴として,述語の表す動作・状態などの帰属する主体を,話し手が身近なものと感じて発話するかどうかによって〈近称〉と〈遠称〉の範疇が区分され,それぞれに異なる助動詞が呼応することを挙げておく。【北村 甫】。…

※「遠称」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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