遙遙(読み)はるばる

精選版 日本国語大辞典 「遙遙」の意味・読み・例文・類語

はる‐ばる【遙遙】

[1] 〘副〙
① 空間的に遠く距離を隔てているさまを表わす語。はるかに遠くまで。
古今(905‐914)羇旅・四一〇「唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ〈在原業平〉」
② 広い空間がひろがっているさまを表わす語。ひろびろと。
源氏(1001‐14頃)御法「はるばると広き野の所もなくたちこみて」
③ 程度がかけはなれているさまを表わす語。はるかに。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)七「はるはる此の二人にました物ぞと英をほめたぞ」
④ 時間的に久しく間をあけているさまを表わす語。久々に。
太平記(14C後)二四「天台の血脉は、師子尊者に至て絶たりしを、緬々(ハルハル)世隔て」
[2] 〘形動〙
① 距離が遠く隔たっているさま。
※土左(935頃)承平五年二月五日「松原目もはるばるなり」
② 時間が隔たっているさま。久々。
浄瑠璃・心中天の網島(1720)上「やれめづらしい小春様小春様、はるばるで小春様と主の花車が勇む声」

よう‐よう エウエウ【遙遙】

〘形動タリ〙 距離・時間がはるかに隔たっているさま。遠く離れているさま。
文華秀麗集(818)中・哭賓和尚〈嵯峨天皇〉「緇素共愁面礼罷、遙遙仰拝向西方
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)越後路北陸道の雲に望、遙々のおもひ胸をいたましめて」 〔春秋左伝‐昭公二五年〕

はろ‐はろ【遙遙】

〘形動〙 (古くは「はろばろ」とも) =はるばる(遙遙)(二)
書紀(720)皇極三年六月・歌謡「波魯波魯(ハロハロ)に 言そ聞こゆる 島の藪原

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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