違例(読み)イレイ

デジタル大辞泉 「違例」の意味・読み・例文・類語

い‐れい〔ヰ‐〕【違例】

[名・形動]
いつもと違うこと。また、そのさま。
「父が向うから来るという―な事が」〈漱石行人
からだの調子が平常と違うこと。貴人についていう。病気不例
「御迎へに人を奉らせ給ひたりけるを、―の事候とて渡り給はず」〈保元・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「違例」の意味・読み・例文・類語

い‐れい ヰ‥【違例・異例】

〘名〙
① (形動) 普通の例と異なること。前例のない珍しいさま。
九暦逸文・承平七年(937)三月二八日「天皇早還御、〈略〉今日違例五」
※行人(1912‐13)〈夏目漱石塵労「父が向ふから来るといふ違例(ヰレイ)な事が」
② (体の状態がいつもと違う意) 貴人などの病気。不例。
※後二条師通記‐寛治六年(1092)一〇月二五日「寅剋許心神違例、持間不例也」
愚管抄(1220)四「ひきかうぶりて、殿隠(とのごもり)殿隠して、ひとへに違例になりてけり」

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普及版 字通 「違例」の読み・字形・画数・意味

【違例】いれい

常例にそむく。

字通「違」の項目を見る

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