精選版 日本国語大辞典 「達者」の意味・読み・例文・類語
たっ‐しゃ【達者】
〘名〙
※性霊集‐一〇(1079)叡山澄和上啓返報書「百官崇重、四部耽翫、四海同仰、三千達者」
② (形動) ある分野での能力がすぐれていること。また、そのさま。
※ささめごと(1463‐64頃)上「劫は入りて耳はなき故に、達者にのみなる人おほしとなり」
※幸若・木曾願書(室町末‐近世初)「あっぱれ文武二道のさて達者哉とほめられたり」
③ (形動) あまりまともでない方面や事柄に長じていること。したたか者であるさま。多く軽蔑の意を込め、また「お達者」という形で、その意をあらわに表わすこともある。
※浮世草子・西鶴織留(1694)三「又ことしの暮には、達者(タッシャ)なる男が釜みがきにありきける」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉初「牛(ぎう)をば平気岡本で食(しめ)る達者さはありゃアただものじゃアごぜへせんぜ」
④ (形動) 心身、あるいはからだのある部分が丈夫でしっかりしていること。また、そのさま。健全。
※天草版金句集(1593)「心、イカウ taxxa(タッシャ)ヂャ」
※古活字本毛詩抄(17C前)二〇「年はよったれども、老者勇健にたっしゃな物に」
⑤ (形動) 特に足の丈夫なこと、足の速いことをいう。
※重刊改修捷解新語(1781)五「ひきゃくわ、ずいぶんたっしゃなものににんお、よおひについてのぼるやうにつかまつれと」
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