道話(読み)どうわ

精選版 日本国語大辞典 「道話」の意味・読み・例文・類語

どう‐わ ダウ‥【道話】

〘名〙
仏道について対話すること。
正法眼蔵(1231‐53)観音仏祖の道話、かくのごとく参学するなり」
江戸時代心学の民衆教化のための訓話。卑近な例をあげて、倫理道徳をわかりやすく説く。
鳩翁道話(1834)一上「ひととせ摂州池田へ道話に参られました」

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デジタル大辞泉 「道話」の意味・読み・例文・類語

どう‐わ〔ダウ‐〕【道話】

人の道を説いた話。
江戸時代、心学者によって行われた訓話。身近な例をあげて、わかりやすく道徳を説いたもの。心学道話
[類語]講話説教説法談義講演講座進講法話訓話訓示嘉言

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「道話」の解説

道話
どうわ

石門心学普及の主要な形態で,講師聴衆に語りかける講席,またその内容。石田梅岩(ばいがん)にとっても講席は心学普及の重要な場だったが,梅岩以降も中沢道二(どうに)や柴田鳩翁など話術に巧みな人々を生みだし,心学の普及に大きな役割をはたした。この語が心学の文献に現れるのは手島堵庵(とあん)の「会友大旨」(1773)からで,世間に広く通用するようになったのは,1794年(寛政6)の道二の「道話聞書」刊行以降であろう。

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旺文社日本史事典 三訂版 「道話」の解説

道話
どうわ

江戸中・後期に行われた心学の講話
石田梅岩の主著『都鄙 (とひ) 問答』にみられる。没階級的な万人共通の人間性に根ざし,経済と道徳の一致の上に立ち,営利主義を肯定することなどが庶民にうけ,柴田鳩翁・手島堵庵らの巧みな話術で広く普及した。

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世界大百科事典(旧版)内の道話の言及

【石門心学】より

…町人の学問が上流武家へ浸透したのである。道二は,比喩や諧謔を交え,笑わせながら考えさせる道話形式を確立した。彼の道話は多くの人々を魅了した。…

※「道話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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