道彦(読み)みちひこ

精選版 日本国語大辞典 「道彦」の意味・読み・例文・類語

みちひこ【道彦】

江戸中期の俳人鈴木氏または村上氏。名は由之仙台の人。医師白雄(しらお)門。師の没後江戸に出て白雄門の中心となって活躍。妻の応々俳諧を嗜んだ。夏目成美井上士朗とともに寛政三大家の一人。編著「蔦本集」「鳶眼集」「鶴芝」など。主要なものは「道彦七部集」に収まる。宝暦七~文政二年(一七五七‐一八一九

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改訂新版 世界大百科事典 「道彦」の意味・わかりやすい解説

道彦 (みちひこ)
生没年:1757-1819(宝暦7-文政2)

江戸後期の俳人。姓は鈴木,名は由之。別号は金令舎,十時庵など。仙台藩医の子。江戸にて医を業とし,俳諧を白雄(しらお)に学ぶ。師の没後春秋庵の継承に失敗したが,政治的手腕を発揮してその筆頭に納まる。また江戸の人々はもとより,地方俳士にまで交流を広げ,当代第一人者の地位を築いた。《無孔笛》を著して中興の諸大家を酷評し,師の白雄をも難じた血気盛んな人物である。論敵も多く,晩年その非難を受けた。俳諧は趣向を重視し,新奇を求めて技巧に走り,平俗に傾いて天保の月並調に通じる。しかし時流の自然趣味に添って卑近な野趣を巧みに吟じた老練さもある。編著は多く,主なものは《道彦七部集》に採録。追善集《はなばかま》ほか数編。〈ゆさゆさと桜もてくる月夜哉〉(《蔦本集》)。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「道彦」の解説

道彦 みちひこ

鈴木道彦(すずき-みちひこ)

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