日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
道化師(レオンカバッロのオペラ)
どうけし
I Pagliacci
イタリアの作曲家レオンカバッロのオペラ。1892年ミラノ初演。マスカーニの『カバレリア・ルスティカーナ』(1890)に刺激されてつくられたベリズモ・オペラの傑作で、ワーグナーに倣って、自らプロローグと二幕からなる台本を作成した。南イタリアを舞台に旅芝居一座の長カニオが、芝居を演じているうちに激しい嫉妬(しっと)のあまり現実と虚構の区別がつかなくなって妻を殺してしまう悲劇。表出力の強い主人公のアリア「衣装をつけろ」はとくに有名である。邦人による日本初演は1946年(昭和21)の藤原歌劇団。なお、同名の作品にカバレフスキーの小編成管弦楽用組曲(作品26。1939初演)、およびプロコフィエフのバレエ組曲(作品21。1924初演)がある。
[三宅幸夫]