遊糸(読み)ゆうし

精選版 日本国語大辞典 「遊糸」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐し イウ‥【遊糸】

〘名〙
① =いとゆう(糸遊)①《季・春》
経国集(827)一一・暇日閑居〈良岑安世〉「初笋篁辺出、遊絲柳外飛」 〔沈約‐三月三日率爾成篇詩〕
俳諧・御傘(1651)一「いとゆふ〈略〉いとゆふ過て遊糸(ユフシ)とか野馬とか有へし。春也」

あそぶ【遊】 糸(いと)

(「遊糸(ゆうし)」の訓読み) 陽炎(かげろう)。いとゆう。
永久百首(1116)春「はるばると浅緑なる大空にあそぶ糸をやながめくらさん〈常陸〉」

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デジタル大辞泉 「遊糸」の意味・読み・例文・類語

あそぶ‐いと【遊糸】

《「遊糸ゆうし」の訓読みから》陽炎かげろう。いとゆう。
「曇りなくなぎたる空に―に琴柱ことぢをたてて帰るかりがね」〈夫木・五〉

ゆう‐し〔イウ‐〕【遊糸】

糸遊いとゆう1」に同じ。

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普及版 字通 「遊糸」の読み・字形・画数・意味

【遊糸】ゆうし

かげろう

字通「遊」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の遊糸の言及

【クモ(蜘蛛)】より

…とにかく(1),(2)の方法でクモは,はねがなくても空を飛び,陸地から何百kmも離れた絶海の孤島にもいくことができるのである。なお,クモの糸だけが空中を飛んでいるものを遊糸gosamerと呼んでいる。
【クモと人間】

[クモの利用]
 クモが多数の虫を食べるので,応用クモ学では,害虫駆除にクモを役だたせる研究が行われ,すでに実用の段階まできている。…

※「遊糸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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