遊(漢字)

普及版 字通 「遊(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
13画

(異体字)游
12画

[字音] ユウ(イウ)・ユ
[字訓] あそぶ・ゆく・まじわる

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(ゆう)。は氏族霊の宿る旗をおし建てて、外に出行することをいう字で、游・の初文。字はまた游に作る。〔説文〕にの字を収めず、游字条七上に「旌旗なり」とし、重文としてを録する。〔詩、周南、漢広〕「に游女り 求むべからず」とは、漢水の女神が出遊することで、水神であるから水渡りをする。陸ならばということになる。遊ぶものは神霊であるから、その神事に携わり、特に喪祝のことに従うものを、わが国では「遊部(あそびべ)」といい、の初義において用いられている。すべて移動するものをといい、また逍遥して楽しむこと、自由な境涯をいう。

[訓義]
1. あそぶ、出行する。
2. ゆく、まじわる、他の地へゆく。
3. きままにする、ほしいままにする。
4. と通じ、はたあし。
5. 游と通じ、およぐ、うかぶ。

[古辞書の訓]
和名抄女 楊氏語抄に云ふ、行女兒、宇加禮女(うかれめ)。一に云ふ、阿曾比(あそび)。今案ずるに、夜發の名り、俗に也保知(やぼち)と云ふ。本未だ詳らかならず。但だ或いは(い)ふ、白晝行す、之れを女と謂ふ。夜を待ちて其のを發す。之れを夜發と謂ふなりと 〔名義抄 アソブ・ウカル・ミユ・タハブル・ヲトリ・メグル・スミヤカニ/ ヲトリ 〔立〕 キハム・ウカベル・ミユ・タハブル・アソブ・ウカル・メグル・ヲトル・ヲヨグ/游 ヲヨグ・ウカブ・アソブ

[語系]
・游jiuはもと一字。(道)・(導)duと声義近く、いずれも道路の呪儀に関する字。は氏族霊の宿る旗、は犠牲の首を以て道路を祓う儀礼であった。語彙は游字条参照。

[熟語]
遊意遊佚・遊逸遊軼・遊雲・遊詠遊泳・遊宴・遊園遊衍遊讌・遊化遊舸遊廓・遊客遊学遊閑遊款・遊観遊宦・遊観・遊眼・遊玩・遊気・遊記・遊嬉・遊騎・遊伎・遊戯・遊居・遊魚・遊魚・遊・遊遊興・遊・遊禽・遊寓・遊君・遊軍・遊憩・遊芸遊撃・遊娯・遊娯・遊光・遊好・遊幸・遊行・遊敖・遊傲・遊魂・遊策・遊散遊子・遊志・遊糸・遊肆・遊・遊辞・遊事・遊辞・遊車・遊手・遊巡・遊処遊女・遊渉・遊賞・遊蹤・遊情・遊食・遊心・遊神・遊人・遊刃・遊塵・遊生遊説・遊仙・遊旋・遊船・遊僧・遊息・遊惰・遊談・遊眺・遊鳥・遊艇・遊適・遊田・遊畋・遊徒・遊・遊伴・遊槃・遊・遊風・遊氛・遊兵・遊眄・遊歩・遊方・遊朋・遊訪・遊蜂遊牧・遊民・遊霧・遊目・遊冶・遊優・遊予・遊予・遊揚・遊弋・遊楽・遊覧・遊履・遊里・遊旅・遊猟・遊輪・遊・遊霊・遊歴・遊浪・遊山
[下接語]
佚遊・遊・燕遊・臥遊・雅遊・回遊・会遊・外遊・宦遊・歓遊・観遊・貴遊・嬉遊・久遊・旧遊・群遊・遊・故遊・遊・交遊・好遊・行遊・敖遊・豪遊・山遊・舟遊・周遊・従遊・出遊・春遊・巡遊・心遊・水遊・西遊・清遊・仙遊・前遊・遊・天遊・東遊・同遊・盤遊・浮遊・歩遊・漫遊・慢遊・夢遊・冶遊・夜遊・優遊・来遊・歴遊

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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