連雀(読み)れんじゃく

精選版 日本国語大辞典 「連雀」の意味・読み・例文・類語

れん‐じゃく【連雀】

〘名〙
① レンジャク科レンジャク属に属する鳥の総称日本には秋渡来するキレンジャクヒレンジャクとがみられる。大きさはツグミ大で、翼と尾に鮮明な赤または黄色部があって美しく、頭頂冠羽をもつ。このほか北アメリカにやや小形のヒメレンジャクがあり、三種とも北半球の亜寒帯針葉樹林で主として繁殖し、木の実を主食とする。《季・秋》 〔色葉字類抄(1177‐81)〕
② むらがる雀。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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デジタル大辞泉 「連雀」の意味・読み・例文・類語

れん‐じゃく【連×雀】

スズメ目レンジャク科の鳥の総称。日本ではキレンジャク・ヒレンジャクが越冬し、群れで木の実を食べ、混群をなすこともある。 秋》

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「連雀」の解説

連雀
れんじゃく

連尺連索とも。中世近世に,本来は荷を運ぶ木製の背負道具であるが,それを使用した商人をもさすようになる。連雀商人行商人一種をさしたが,行商人一般をもさすようになった。彼らは連雀を用いて,比較的長距離を売り歩いた。とくに戦国期に活躍し,城下町には連雀町が形成され,駿河では商人頭友野氏が連雀役を徴収した。近世においても近江商人富山売薬商人などが活動した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「連雀」の意味・わかりやすい解説

連雀
れんじゃく

行商人の一種で,遠距離を連雀で商品を背負って売り歩いた。連雀は「連尺」「連索」「連著」とも書き,行商人がたくさんの小間物を入れた箱などの荷を背にくくりつけて背負うときの紐または具,その背負い方をいう。室町~戦国時代に特に盛んであった。城下町には,彼らの集る連雀町,連雀小路があった。

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世界大百科事典(旧版)内の連雀の言及

【振売】より

…店舗を構えたり一定の場所で商売するのでなく,呼売して行商すること,またはその商人をいう。連著,連雀(れんじやく)などともいう。また振売は,特権的営業権を認められた座商人の座売に対する自由かってな商い,すなわち脇売を指すこともあり,立売とも呼ばれ,禁じられる場合もあった。…

【連雀商人】より

…中世から近世にかけて木製の枠形の背負道具に商いの荷をくくりつけて背負い,行商をして歩いた商人。のちには行商人のことを連雀と称するようになった。連雀とは日本に渡来する小鳥の名で,左右の翼にそれぞれ1本ずつ長い羽があり,それがたれ下がっていて,一見荷を背負う枠形に似ているところがあって,枠形を連雀とよぶようになったものと考えられる。…

※「連雀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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