連帯債権(読み)れんたいさいけん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「連帯債権」の意味・わかりやすい解説

連帯債権
れんたいさいけん

数人の債権者が同一内容の給付について、各自が独立して全部の給付を請求する権利を有し、そのうちの1人が給付を受領すれば他の債権者の債権もすべて消滅する、多数当事者の債権関係。連帯債務に対応する観念。ローマ法以来ヨーロッパ各国において認められているが、わが国の民法には規定がない。当事者の意思表示によりこれを成立させることができるものと解されているが、わが国の実際の取引界ではその実例がなく、その必要性も乏しいようである。連帯債権の効力については、当事者の意思表示と連帯債務の規定の類推によって定めるべきものとされている。

[竹内俊雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android