速水滉(読み)はやみひろし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「速水滉」の意味・わかりやすい解説

速水滉
はやみひろし
(1876―1943)

心理学者。岡山市の生まれ。1900年(明治33)東京帝国大学文科大学哲学科卒業。同窓に哲学者の紀平正美(きひらただよし)(1874―1949)がいた。心理学を専攻して、元良勇次郎(もとらゆうじろう)のもとで初代心理学助手となる。旧制の山口高等学校、第一高等学校教授などを経て1924年(大正13)京城帝大法文学部教授。欧米留学後、黒田亮(りょう)教授とともに同大学心理学研究室の基礎を築いた。1936年(昭和11)同大学総長。ドイツ系の哲学的心理学者で、精神科学の基礎としての心理学は客観的心理学ではないと主張する。著書に『ビネー氏人格変換論』(1900)、『現代の心理学』『論理学』(ともに1914)などがある。

[宇津木保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「速水滉」の解説

速水滉 はやみ-ひろし

1876-1943 明治-昭和時代前期の心理学者。
明治9年12月23日生まれ。旧制山口高,一高などの教授をへて,大正13年京城帝大教授,のち総長となった。昭和18年6月27日死去。68歳。岡山県出身。東京帝大卒。著作に「論理学」「現代の心理学」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android