精選版 日本国語大辞典 「通鑑紀事本末」の意味・読み・例文・類語
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中国,南宋時代に編まれた歴史書。全42巻。史学と易学にすぐれた袁枢(えんすう)の著。司馬光の《資治通鑑(しじつがん)》をいったん解体し,戦国時代から五代に至る1362年間の歴史を239篇の〈事〉(歴史事象,できごと)に再編成し,それぞれの本末(てんまつ)を記したもの。もともと中国の歴史記述の様式には紀伝体と編年体があるが,前者は各パートが独立しているため,同一の〈事〉が重複して現れることがあるし,後者は時間が主で〈事〉が従であるため,複数の〈事〉が並行して記述されたり,ひとつの〈事〉がしばしば寸断される結果,〈事〉をひとまとまりとしてとらえがたいという欠点がある。袁枢はここに第三のスタイルとして紀事本末体を創案し,その克服を図ったのである。その後,《宋史紀事本末》をはじめ,ひと口に《九朝紀事本末》と呼ばれる多くの史書がこのアイデアを踏襲した。
執筆者:三浦 国雄
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