通信全覧(読み)つうしんぜんらん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「通信全覧」の意味・わかりやすい解説

通信全覧
つうしんぜんらん

幕末,明治維新期の外交文書記録。 319巻。外務省所蔵。正続2編に分れている。安政6 (1859) ~万延1 (60) 年のイギリス,アメリカ,フランス,オランダ,ロシア各国との往復外交文書を集大成したもの。編纂は外国奉行平山敬忠らの尽力で慶応2 (66) 年に完了した。国別,年代別に分けた編年部門と,項目別に分けた類輯部門に分れている。その後も編纂事業は継続され,幕府から明治新政府に引継がれた。通信編は,文久1 (61) ~慶応4 (68) 年の諸外国との往復外交文書を集大成するとともに,それ以前にさかのぼって補充したもので,外務省出仕坂田諸遠らが 1884年に完成した。全巻未刊であるが,礼儀門,修好門,その他一部が『幕末維新外交史料集成』として刊行されている。

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