途上(読み)とじょう

精選版 日本国語大辞典 「途上」の意味・読み・例文・類語

と‐じょう ‥ジャウ【途上】

[1] 〘名〙
① 道のうえ。路上。みちなか。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「途上人影の稀れに成った頃」
目的の場所へ行く途中。歩行中。
※山陽詩鈔(1833)四「途上望諸山三首」
東西南北(1896)〈与謝野鉄幹〉「花見に行きて、途上雨にあふ」
進歩、変化などが中途であること。
※芸術運動に於ける前衛性と大衆性(1929)〈勝本清一郎〉「確立運動が発展の途上に於いて獲得し、供給してくれる半ば新しい芸術条件」
[2] 短編小説嘉村礒多作。昭和七年(一九三二発表。作者の代表作で、中学入学時からの初恋や、その後を自伝的に描く。

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デジタル大辞泉 「途上」の意味・読み・例文・類語

と‐じょう〔‐ジヤウ〕【途上】

目的地に行く途中。「帰宅途上に雨にあう」
事業計画などが目的に従って進行している途中。「発展の途上にある」
[補説]書名別項。→途上
[類語]途中中途途次道中行きがけ路次過渡期道すがら道道みちみち道草通りすがり通り掛かり通り掛け行きずり行き掛かり帰りしな帰りぎわ帰り掛け帰るさ寄り道半ばついでついでにちなみに念のため手ついでがてらかたがたかたわら

とじょう【途上】[書名]

嘉村礒多の短編小説。昭和7年(1932)2月、「中央公論」誌に発表。著者は本作により文壇での地位を確立するが、翌年結核性腹膜炎のため死去

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普及版 字通 「途上」の読み・字形・画数・意味

【途上】とじよう

路上。

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