透影（読み）すきかげ

精選版 日本国語大辞典

すき‐かげ【透影】

〘名〙

① 薄い物や物のすきまをとおして漏れる光。

※源氏（1001‐14頃）帚木「火ともしたるすきかげ、障子(さうじ)のかみよりもりたるに」

② 物のすきまから、あるいはすだれや薄いものをとおして見える姿や形。

※宇津保（970‐999頃）楼上下「几帳夕日のすきかげより、内侍のかみ、紅の黒むまで濃き唐綾のうちあはせ一かさね」

※源氏（1001‐14頃）夕顔「すだれなどもいと白うすずしげなるにをかしき額つきのすきかげ、あまたみえてのぞく」

③ 光を透して見える水の動き。

※枕（１０Ｃ終）一四八「水を物に入るるすき影」

出典　精選版 日本国語大辞典