退職(読み)たいしょく

精選版 日本国語大辞典 「退職」の意味・読み・例文・類語

たい‐しょく【退職】

〘名〙 職をしりぞくこと。現職をしりぞくこと。
名目鈔(1457頃)諸公事言説「本座 納言、参議辞退職之後有此宣下
破戒(1906)〈島崎藤村〉二「退職となった場合には、恩給を」 〔諸葛亮‐黜来敏教〕

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デジタル大辞泉 「退職」の意味・読み・例文・類語

たい‐しょく【退職】

[名](スル)勤めている職をやめること。現職をしりぞくこと。「定年退職する」
辞職[用法]
[類語]引退退陣退任退役退官辞職辞任勇退下野リタイアに下る

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改訂新版 世界大百科事典 「退職」の意味・わかりやすい解説

退職 (たいしょく)

広義には労働者の死亡以外の原因(一般に解雇を含む)で,広く労働関係が解消される場合のすべてを指す(例えば,労働基準法89条1項3号の就業規則の絶対的必要記載事項としての〈退職に関する事項〉にいう退職はこの意味で用いられている)。狭義には労働者の一方的意思表示によって労働関係を解消すること,すなわち辞職(ただしこの言葉は人事院規則では,公務員がみずからの意思により退職することをいい,依願退職ともいう)を意味し,使用者の一方的意思表示による労働関係の終了である解雇,さらには労使双方の合意に基づく労働関係の解消としての合意解約とは異なる。労働基準法は,解雇の場合とは異なり退職に関しては,明示された労働条件が事実に反する場合の労働契約の即時解約(15条2項)について以外なんらの定めをおいていないところから,退職をめぐる法律問題は民法の一般規定の適用の下で判断されることとなる。それによると,期間の定めのない労働契約の場合,労働者の退職申入れ後2週間の経過によって労働関係は終了する(民法627条1項)が,報酬が期間をもって定められている場合には,労働者は次期以降についてのみ退職申入れをなすことができる(627条2項)。例えば,月給制の場合,労働者がある月の20日に退職しようとする場合,退職申入れは〈2週間の経過〉の条件を満たすだけでなく,前月になすのでなければ,労働関係終了の効果を主張することはできないこととなる。とはいえ,退職の意思表示自体は労働者は原則としていつでも自由にすることができる。その結果,就業規則などで退職の成立を使用者の許可にかからしめるようなことは労働者の退職の自由を侵害するものとして一般に無効である。また,退職の意思表示が労働者本人の真意からでたものではなく,使用者もこの事実を認識している場合や,労働者の錯誤によってこれがなされた場合などはかかる意思表示は無効とされる(93,95条)。さらに使用者もしくはその他の第三者の詐欺または強迫によって退職の意思表示がなされた場合も労働者はこれを有効に取り消すことができる(96条)。
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普及版 字通 「退職」の読み・字形・画数・意味

【退職】たいしよく

退任。

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