精選版 日本国語大辞典 「追出」の意味・読み・例文・類語
おい‐だし おひ‥【追出】
〘名〙
① 追い出すこと。今いる場所からよそへ追い払うこと。
※不在地主(1929)〈小林多喜二〉四「管理人が遠廻しに〈略〉云ってくる━何時でも態のいい追ひ出しを受けてゐた」
※親長卿記‐文明二年(1470)九月八日「右少弁資基朝臣、有二子細一、自二武将一有二追出一、可レ及二生涯一之由」
④ 「おいだしだいこ(追出太鼓)」の略。
※浮世草子・浮世栄花一代男(1693)一「追出しうち立て諸人帰りし跡にて」
⑤ 「おいだししばい(追出芝居)」の略。
※耳を掻きつつ(1934)〈長谷川伸〉処女上演以来「その次のものは〈略〉同年六月興行の『柄杓酒』だった、これは俗にいふ追ひ出しに据ゑたもので」
⑦ 「おいだし(追出)の鐘」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・二葉の松(1690)「暁鐘(オヒダシ)に撞(つ)き崩さるる里おどり」
⑩ 「おいだしぐすり(追出薬)」の略。
※浮世草子・好色小柴垣(1696)五「おゐし様のおいだしがのみたい」
おい‐だ・す おひ‥【追出】
〘他サ五(四)〙
① ある場所から外へ追いやる。追い払って外へ出す。追い払う。
※吾妻鏡‐延応元年(1239)七月二六日「早可レ追二出居住所一」
③ 追い出し薬を使って、こもった病毒を体外に発散させる。
おん‐・でる【追出】
〘自ダ下一〙 (「追い出る」の変化した語) 自分から進んである場所を出る。むりに出される、あるいは、いやいや出るのではないことを強調するいい方。
※人情本・春色恋廼染分解(1860‐65)二「子まであるのを振り捨てて、亭主の留守に里方に罷出(オンデ)て行った人非人(ひとでなし)」
おい‐い・ず おひいづ【追出】
〘他ダ下二〙 物を追って外に出す。追い出す。
※書紀(720)欽明五年三月(寛文版訓)「仍りて我が久礼山(むれ)の戍(まもり)を擯出(オヒイデ)て遂に有(たも)つ」
つい‐しゅつ【追出】
〘名〙 追い出すこと。ある地域から放逐すること。追放。
※高野本平家(13C前)八「一味同心して追出(ツイシュツ)すべきよし、の給ひつかはされたりければ」
おい‐いだ・す おひ‥【追出】
〘他サ四〙 物を追って外に出す。追い出す。
※古事記(712)下「其の室(むろ)の人等を追出(おひいだ)して」
おん‐だ・す【追出】
〘他サ五(四)〙 (「おいだす(追出)」の変化した語) 追い出すの俗語的な表現。
※両足院本山谷抄(1500頃)六「鹿をば山でとりまはいて、一方へをんだいて取る者ぞ」
ぼい‐だ・す ぼひ‥【追出】
〘他サ四〙 たたきだす。おいだす。
※浄瑠璃・女殺油地獄(1721)中「ぼい出してのけさっしゃれ」
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