返咲(読み)かえりざき

精選版 日本国語大辞典 「返咲」の意味・読み・例文・類語

かえり‐ざき かへり‥【返咲】

〘名〙
草木の花がその時季でないのに咲くこと。多くは春咲く花が、初冬の頃小春日和が続いた時などに再び咲くことをいう。二度咲き。狂い咲き。返り花。《季・冬》
浮世草子西鶴置土産(1693)二「うへ野の桜かへり咲(サキ)して」
② おとろえたものが再び栄えること。力、人気地位などを失ったものが、再びもと状態にもどって勢いを得ること。
※俳諧・小町踊(1665)春「花にいはば又来る春や返り咲」
※薗八節・口舌八景(小いな半兵衛)(1755頃)「尽きぬ縁(えにし)の返咲(ザ)き」

かえり‐ざ・く かへり‥【返咲】

〘自カ四〙 (「かえりさく」とも)
① (花が)その時季でないのに咲く。狂い咲きをする。《季・冬》
夫木(1310頃)四「散る花を吹きあげの浜の風ならば猶も木末にかへりさかせよ〈小侍従〉」
② 力、人気、地位などの衰えていたものが、もとの状態にもどって盛んとなる。
浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉四三「この娘は〈略〉この頃映画に返(カヘ)り咲(サ)いた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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