近都牧(読み)きんとのまき

世界大百科事典(旧版)内の近都牧の言及

【鳥養牧】より

…淀川下流にあり右馬寮に属した。近都牧は諸国から貢上されてきた馬牛を,必要に応じて京につれてくるため一時的に放牧しておく都近辺の牧である。935年(承平5)紀貫之が土佐国より帰国の途中,鳥養牧の近くに宿泊し,また1048年(永承3)関白藤原頼通の高野詣の帰路,同牧の辺に到着したことなどが知られる。…

【牧】より

…《延喜式》にみられる公牧はこうした状況に対応して編成替えされたもので,表のように未墾地の多い辺境地方に集中している。《延喜式》には(1)兵部省管下の〈官牧〉39牧(馬27,牛15),(2)左右馬寮管下の〈勅旨牧〉32牧,(3)同じく〈近都牧〉,家嶋とも7牧,(4)薬園の耕作と牛乳の採取を目的とした典薬寮の味原牧,の4種がみられる。このうち官牧は令の牧制を継承したものとみられるが,ここでは勅旨牧とともに生産した馬牛を中央に貢上するように変わっており,また近都牧は貢上された馬牛を飼養するところに特色がある。…

※「近都牧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」