近近(読み)ちかぢか

精選版 日本国語大辞典 「近近」の意味・読み・例文・類語

ちか‐ぢか【近近】

〘名〙 (多く「と」を伴って副詞的にも用いる)
距離がごく近いこと。場所近くであること。きんきん。
発心集(1216頃か)四「ちかぢかとよびよせての給ふ様は」
時間的に多くへだたらないこと。
(イ) 未来のごく近い時期をさしていう。近いうち。きんきん。
※林葉集(1178)雑「和歌会あらんとせしに、ちかぢかと参れとありしかば」
雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上「武田と云ふ男が近々(チカヂカ)旅行するので」
(ロ) 時間的間隔がなく繰り返されるさまをさしていう。しばしば。
古今著聞集(1254)一七「家は樋口高倉にてありければ、ちかちかに小童遊び伴ひて、小六条へ行きにけり」

きん‐きん【近近】

〘名〙
① 場所が近くであること。
※中右記‐寛治元年(1087)七月一九日「十九日斎宮自六条内裏遷御院御所、前駈歩行、依近近也」
② 近い将来。そのうち。ちかぢか。副詞的にも用いる。
古事談(1212‐15頃)一「被近近皇胤者」
※満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石〉四七「近々(キンキン)停車場附近へ新築して引移る積だと云ってゐた」

ちかぢか‐し・い【近近】

〘形口〙 ちかぢかし 〘形シク〙
① 距離・時間などがごく近い。近くにある。すぐである。
※発心集(1216頃か)四「雲を分つつ帰るほどに、道もちかぢかしく見えざりければ、いづくともおぼえず」
② 親しい。むつまじい。昵懇(じっこん)である。
落窪(10C後)二「かの典薬がちかちかしくやありけんと北の方思ひ給はん、ねたういみじうて」

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デジタル大辞泉 「近近」の意味・読み・例文・類語

ちか‐ぢか【近近】

[副]
時間的に隔たらないさま。ごく近いうちに。きんきん。「近近引っ越しするつもりです」
距離的に近いさま。ごく近くに。「近近と寄ってのぞき込む」
[類語]軈て近日そのうちいずれ遅かれ早かれ早晩追って何時か近近きんきんじきすぐ直ちに早速じきすぐにすぐさまもう間もなく程なく今に追い追い追っ付けきた日ならずして後日他日不日又の日近く遠からず上げずぼちぼち今にもそろそろ行く行く目前秒読みカウントダウン追っ掛け時間の問題ややあって今日明日すかさず間を置く時を移さずこの先日ならず

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普及版 字通 「近近」の読み・字形・画数・意味

【近近】きんきん

近日。

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