込上(読み)こみあげる

精選版 日本国語大辞典 「込上」の意味・読み・例文・類語

こみ‐あ・げる【込上】

[1] 〘自ガ下一〙 こみあ・ぐ 〘自ガ下二〙
① 水や物などがいっぱいになってあふれ出る。
※開化自慢(1874)〈山口又市郎〉初「わっちゃアまた有すぎて、ぞろぞろこみあげてくるのを、じっと辛抱して居る其つらさ」
② 胃から食物が逆もどりして口の方へ出てくる。また、出てきそうになる。吐き気を催す。
史記抄(1477)一四「逆気でこみあくるほどに不能食ぞ」
③ 涙や笑いが、押えようとしても押えきれないであふれ出てくる。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)初「グウッグッとこみあげる、笑ひを外へもらさじと真赤になって」
④ 激しい感情がわき上がってきて、胸いっぱいになる。また、押えられない感情が、あふれて出る。
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉四「お露は只もう嬉しいのが込み揚げて物が謂はれず」
⑤ さしこみが起こる。
[2] 〘他ガ下二〙 こみあ・ぐ 〘他ガ下二〙
① 食べたものをもどす。吐く。
※和英語林集成(初版)(1867)「タベタ モノヲ komiageru(コミアゲル)
② しぼりあげる。
浄瑠璃・摂州渡辺橋供養(1748)二「無念無念とはがみをなし、髪も眉毛も逆立て、五臓六腑をこみ上れは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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