農民反乱[西洋](読み)のうみんはんらん[せいよう](英語表記)peasants' revolt

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「農民反乱[西洋]」の意味・わかりやすい解説

農民反乱[西洋]
のうみんはんらん[せいよう]
peasants' revolt

古代社会および封建社会において支配階級である貴族層あるいは封建領主層に対して,被支配階級である農民層が起した反乱。古代社会,封建社会における階級闘争の典型的な形態をなす。西ヨーロッパでは中世末期に領主層の経済的破綻と農民層の社会的・経済的上昇から封建地代の引下げ,農奴制廃止を要求する農民一揆が頻発した。 1358年フランスのジャックリーの乱,81年イギリスの W.タイラーの乱,1524~25年ドイツ農民戦争などがその例である。東ヨーロッパではロシアのモスクワ大公国の農奴制強化に伴う農民,コサックによる動乱 (1603~14) ,ロマノフ朝成立後,ツァーリ権力の強化につれ農民層への社会的抑圧と農民層内部の階層分解から起きた S.ラージンの乱 (67~70) ,18世紀後半,啓蒙絶対主義政治のもとでの農奴制強化に抵抗して起きたプガチョーフの反乱などがある。

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