農業・食品産業技術総合研究機構(読み)のうぎょうしょくひんさんぎょうぎじゅつそうごうけんきゅうきこう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

農業・食品産業技術総合研究機構
のうぎょうしょくひんさんぎょうぎじゅつそうごうけんきゅうきこう

農業、食品産業、農村の健全な発展のための研究、農機具改良の研究、新品種の栽培試験などを行う農林水産省所管の国立研究開発法人(独立行政法人)。略称農研機構。英語名はNational Agriculture and Food Research Organization、略称はNARO。「国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構法」(平成11年法律第192号)を根拠法とする。2001年(平成13)4月に12の国立研究機関を統合・再編して設立された農業技術研究機構と、1986年(昭和61)設立の特別認可法人生物系特定産業技術研究推進機構が2003年に統合され、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構が設立。2006年、農業工学研究所、食品総合研究所、農業者大学校の3独立行政法人と統合・再編され、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構に改められた。2015年、国立研究開発法人に移行。さらに2016年4月、農業生物資源研究所農業環境技術研究所および種苗管理センターと統合された。本部は茨城県つくば市観音台(かんのんだい)。

 農業・食品産業技術総合研究機構は、(1)生産現場および経営力の強化、(2)強い農業の実現と新産業の創出、(3)農産物・食品の高付加価値化と安全・信頼の確保、(4)環境問題の解決、地域資源の活用、の4点を研究の重点としている。そのため食農ビジネス推進センター、種苗管理センター、生物系特定産業技術研究支援センターの三つの研究センターを拠点とし、さらに多様な気候風土にあわせた農業技術の開発や、地域の特性に沿った農業発達のための全国5か所の地域農業研究センターや、果樹茶業、野菜花き、畜産、動物衛生、農村工学、食品、生物機能利用の七つの研究部門、さらに次世代作物開発、農業技術革新工学、農業環境変動の三つの重点化研究センターのほか、高度な分析機器等を利用して解析等を行う高度解析センター、農業生物遺伝資源技術に関する試験・研究・調査、農業生物資源ジーンバンク事業、原蚕種や桑の苗木の生産・配布等を行う遺伝資源センターがある。

[編集部 2017年7月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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