辰野牧(読み)たつののまき

日本歴史地名大系 「辰野牧」の解説

辰野牧
たつののまき

辰野牧は天竜川とその支流横川よこかわ川とで囲まれた大城おおじよう山の麓一帯で、対岸には平出ひらいで牧や宮所みやどころ牧があり、平安時代の末頃設けられたものと考えられる。

吾妻鏡」治承四年(一一八〇)九月一〇日条に「下宮分、竜市一郷也、而筆者誤書加岡仁谷郷」とあり、また、文治二年(一一八六)三月一二日条の乃貢未済庄々注文の左馬寮領の部に「笠原御牧、宮所、平井弖、岡屋、平野、小野牧」とある。この「竜市」「平野」は承久元年(一二一九)一一月一九日の鎌倉幕府下知状案(諏訪大社下社文書)の「諏訪下宮領岡野・立野両村、左馬寮使新儀非法事」や同二年七月二五日の左馬寮下文案(諏訪大社下社文書)によって立野の誤記と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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