辞源(読み)じげん(英語表記)Cí yuán

精選版 日本国語大辞典 「辞源」の意味・読み・例文・類語

じげん【辞源】

中国辞書。三冊。正編は一九一五年刊で陸璽奎(りくじけい)らの編纂続編は一九三一年刊で方毅らの編纂。新訂版は合冊親字約一万、収録語彙約一〇万。伝統にそい、文語中心解説も文語調だが新語俗語もはいる。

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デジタル大辞泉 「辞源」の意味・読み・例文・類語

じげん【辞源】

中国の辞書。3冊。正編2冊は陸璽奎りくじけいら編。1915年刊。続編は方毅ほうきら編。1931年刊。1字の言葉要素(辞)に2字以上の熟語成語固有名詞などを加え、旧来の文語を中心に、俗語・学術用語や日本製の漢語まで収録する。近代的辞書の最初のもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「辞源」の意味・わかりやすい解説

辞源 (じげん)
Cí yuán

中国最初の近代的な辞典。商務印書館発行。1908年(光緒34)から,陸爾奎,方毅らを中心に編纂が始められ,15年に正編が出版された。31年には続編が刊行され,39年には続編を正編に取り込んだ合訂版が刊行された。文字配列は,《康煕字典》などの旧来の字書と同じく214の部首を立て,画数順に並べている。音注には清の李光地《音韻闡微(せんび)》の反切と直音を用いて現代音を求めやすくした。また2字以上からなる語彙は,文言的,古典的なものを中心に10万語以上収められ,文言による簡単な釈義が付され,引用文ともども句読点が施されている。

 58年から古典語の辞典としての編纂のやり直しが行われ,64年に修訂稿第1冊を出版,さらに76年から広東など4省の共同作業で修訂を進め,79年9月に4分冊の第1冊が刊行された。漢語拼音による音注,広韻反切と声母を標記,用例をさしかえ出典を明記するなど,面目を一新している。
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百科事典マイペディア 「辞源」の意味・わかりやすい解説

辞源【じげん】

中国最初の近代的辞書。2巻。正編は陸爾奎(りくじけい)らの編。1915年上海の商務印書館刊。続編は方毅(ほうき)らの編。1931年刊。文字・熟語の解釈のほか,内外の主要地名,人名,年号,書名,動植物名,科学用語などを収録,百科事典的性格も帯びる。
→関連項目辞海

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世界大百科事典(旧版)内の辞源の言及

【辞書】より

…《五経》をはじめとする経典の読解について,今日的意味からすれば明らかに〈辞書〉である唐の陸徳明の《経典釈文》が,〈音義〉書として〈諸経総義〉類に属するなどの扱いを受けるのもそれである。 こうしたものをまで含めて,〈字書〉が扱うようになるのは,1915年に出版された商務印書館の《辞源》である。その編集が開始されたのは1908年,まだ清の光緒年間であったというから,これは清末とくに日清戦争以後内外の事ようやく多端となった時期,それに対応すべく企画されたものであろう。…

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