辛い(読み)ツライ

デジタル大辞泉 「辛い」の意味・読み・例文・類語

つら・い【辛い】

[形][文]つら・し[ク]
他人に対して冷酷である。非情である。むごい。「―・いしうち」「―・く当たる」
精神的にも肉体的にも、がまんできないくらい苦しい。苦しさで耐えがたい。「―・い別れ」「いじめられて―・い目にあう」「練習が―・い」
対処が難しい。困難である。「―・い立場にいる」「その話をされると―・い」
人の気持ちを考えない。つれない。
「からころも君が心の―・ければ袂はかくぞそぼちつつのみ」〈末摘花
冷たい態度が恨めしい。しゃくにさわる。
「―・しともまた恋しとも様々に思ふ事こそひまなかりけれ」〈和泉式部日記
苦しい[用法]
[派生]つらがる[動ラ五]つらげ[形動]つらさ[名]
[類語](2びんびん切切せつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心からせつ苦しい耐えがたいしんどい苦痛である切ないやりきれないたまらないる瀬ない悲しい物悲しいうら悲しい痛ましい哀れ哀切悲愴ひそう悲痛悲傷沈痛もの憂い断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がる

から・い【辛い/×鹹い】

[形][文]から・し[ク]
トウガラシワサビなどのように、舌やのどを強く刺激するような味である。「インド風の―・い料理」→五味ごみ
(鹹い)塩気が多い。しょっぱい。「―・い煮つけ」⇔甘い
甘みが少なくさっぱりとしていて、ひきしまっている。酒の味などにいう。「ワインは―・いほうが好みだ」⇔甘い
評価の基準などが厳しい。「―・い採点」⇔甘い
つらい。苦しい。「―・い目をみる」
残酷である。むごい。
もろもろの―・きのり」〈武烈紀〉
危ない。危うい。
「―・き命儲まうけて、久しく病みゐたりけり」〈徒然・五三〉
気にくわない。いやだ。
「―・しや、まゆはしも、皮虫だちためり」〈堤・虫めづる姫君
[派生]からさ[名]からみ[名]
[類語]辛口辛め塩辛いしょっぱい甘じょっぱい辛み鹹味かんみぴり辛(舌に辛みを感じるさま)ぴりっとぴりりとぴりぴりひりひり

づら・い【辛い】

[接尾]形容詞型活用[文]づら・し(ク活)》動詞の連用形に付いて形容詞をつくり、その動作をするのに困難を感じる意を表す。…にくい。「歩き―・い」「読み―・い」「書き―・い」
[類語]難いにくい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

盆栽用語集 「辛い」の解説

辛い

水やりや施す肥料の量および回数が少ないこと。盆栽を育てる上では決して悪いことではなく、例えば五葉松は辛めの水やりが適している。

出典 (株)近代出版盆栽用語集について 情報

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