精選版 日本国語大辞典 「轡虫」の意味・読み・例文・類語
くつわ‐むし【轡虫】
〘名〙
① バッタ(直翅)目キリギリス科の昆虫。全長五~七センチメートル。体色は一般に緑色型と褐色型とがあり、その濃淡には種々の変化がある。キリギリスに似ているがはねが長く幅広い。触角は糸状で長く、後脚は長大で跳躍に適する。八~一〇月にかけて現われ、林下の草むらで夕刻ごろからガチャガチャとにぎやかに鳴く。鳴き声が馬の轡(くつわ)がなるように聞こえることからこの名がある。近似種にタイワンクツワムシがいる。関東以南に分布。がちゃがちゃ。《季・秋》
※枕(10C終)九「篳篥(ひちりき)はいとかしがましく、秋の虫をいはば、くつわむしなどの心地して」
② (①のやかましいのにたとえて) そうぞうしい人。うるさい人。
※雑俳・童の的(1754‐75)一「引越た先も隣にくつわ虫」
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