軟質類(読み)なんしつるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「軟質類」の意味・わかりやすい解説

軟質類
なんしつるい
[学] Chondrostei

硬骨魚綱Osteichthyes、条鰭(じょうき)亜綱Actinopterygii、軟質区(軟質亜綱または下綱とする研究者もいる)に属する魚類の総称。条鰭亜綱にはほかに腕鰭区と新鰭区が含まれる。軟質区に含まれる多くの目(ケイロレピス目Cheirolepidiformes、パレオニスクム目Palaeonisciformes、タッラシウス目Tarrasiiformes、グイルダイクティス目Guildayichthyiformes、ファネロリンクス目Phanerorhynchiformes、サウリクティス目Saurichthyiformesなど)はジュラ紀までに絶滅し、チョウザメ目Acipenseriformesのみが現存している。チョウザメ目の尾びれは異尾であり、鱗(うろこ)は存在するならば硬鱗(こうりん)である。骨格はほとんど軟骨からなる。間鰓蓋骨(かんさいがいこつ)はない。腹内の螺旋(らせん)弁は通常発達している。このように古代的な特徴をかなり備えている。チョウザメ目にはチョウザメ科とヘラチョウザメ科の2科が含まれ、チョウザメ科には現存する4属25種と、ヘラチョウザメ科に2属2種が北半球に分布している。

[尼岡邦夫 2015年9月15日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の軟質類の言及

【条鰭類】より

硬骨魚類の1亜綱Actinopterygii。条鰭亜綱はさらに原始的な順に軟質類Chondrostei,全骨類Holostei,真骨類Teleosteiの三つの上目に分けられる。胸びれの鰭条は射出骨を介して肩帯の烏口(うこう)骨や肩甲骨に付着する。…

※「軟質類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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