軍事郵便(読み)ぐんじゆうびん

精選版 日本国語大辞典 「軍事郵便」の意味・読み・例文・類語

ぐんじ‐ゆうびん ‥イウビン【軍事郵便】

〘名〙 戦時または事変の際、従軍する軍人軍属から発信する郵便、またはこれらの人にあてた郵便。原則として、軍人・軍属からの郵便物無料、軍人・軍属あての郵便物には正規の郵便料金が徴集された。明治二七年(一八九四制定。昭和二一年(一九四六廃止。戦時郵便。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「軍事郵便」の意味・読み・例文・類語

ぐんじゆうびん【軍事郵便】[書名]

河内仙介短編小説。昭和15年(1940)発表同年、第11回直木賞受賞。

ぐんじ‐ゆうびん〔‐イウビン〕【軍事郵便】

戦時中に、戦地の軍機関・軍人などと本国の機関・人との間に交わされる郵便物。
[補説]書名別項。→軍事郵便

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「軍事郵便」の意味・わかりやすい解説

軍事郵便
ぐんじゆうびん

戦時または事変の際に戦地またはこれに準ずる所にある軍人・軍属などから発信する郵便、また、それらの人にあてた郵便の総称。日本では1894年(明治27)日清(にっしん)戦争の始まる直前に軍事郵便取扱細則が定められた。原則として軍人・軍属が差し出す郵便物は無料で取り扱われ、逆に軍人・軍属あてに出すものに対しては正規の郵便料金が徴収された。陸上だけでなく、海上にある軍艦などの郵便もこれに準じた。また特例として、平時に海外駐屯の軍人に対して、通数を制限して無料の取扱いをした。この場合には郵便切手に「軍事」の文字を加刷したものを配布し、使用させている。1943年(昭和18)には、往復とも航空機により輸送される特別な「軍事郵便往復葉書」が発行された。第二次世界大戦後、46年(昭和21)2月をもって軍事郵便の取扱いはすべて廃止された。

[園山精助]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軍事郵便」の意味・わかりやすい解説

軍事郵便
ぐんじゆうびん
military post

軍人,軍属で特に国外にいる者への特別の郵便制度をいう。軍がみずから集配を行なった。戦時中に限られていて,1945年以後はない。ただし,海外兵力の多いアメリカでは現在でも存在している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android