蹴飛(読み)けとばす

精選版 日本国語大辞典 「蹴飛」の意味・読み・例文・類語

け‐とば・す【蹴飛】

〘他サ五(四)〙
① 蹴って飛ばす。また、ひどく蹴る。けっとばす。
浄瑠璃・関八州繋馬(1724)五「踏み退け、けとばし、薙ぎ立つれば」
② はねつけてとりあわない。拒否する。けっとばす。
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉幼少の時「亡父俗吏を勤めるのが不本意であったに違ひない。左れば中津を蹴飛(ケトバ)して外に出れば宜(い)い」
③ 放置する。ほうっておく。けっとばす。
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)一「何が親父孔明をやられても此韓信跨はくぐらず。蹴飛(ケトバ)して置故に」

けり‐とば・す【蹴飛】

〘他サ五(四)〙 蹴って物を飛ばす。いきおいよく蹴る。けとばす。また、比喩的に、物事をいきおいよくはねのける。
田園の憂鬱(1919)〈佐藤春夫〉「彼は時にはそれらの猫を強く蹴り飛ばした」

けっ‐とば・す【蹴飛】

〘他サ五(四)〙 =けとばす(蹴飛)
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉二四「スクルーで浪を蹴っ飛ばしながら游いで行く」

け‐とばし【蹴飛】

〘名〙 馬肉をいう。けっとばし。《季・冬》 〔隠語輯覧(1915)〕〔新らしい言葉字引(1918)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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