踏越(読み)ふみこえる

精選版 日本国語大辞典 「踏越」の意味・読み・例文・類語

ふみ‐こ・える【踏越】

〘自ア下一(ヤ下一)〙 ふみこ・ゆ 〘自ヤ下二〙
① 踏んで越える。踏んで通り過ぎる。
万葉(8C後)一九・四一六四「劔大刀 腰に取り佩き あしひきの 八峰(やつを)布美越(フミこえ)
② 他の領分へはいり込む。
※半七捕物帳(1923)〈岡本綺堂〉雪達摩「岡っ引にはめいめいの持場がある。それを無暗に踏(フ)み越(コ)えて、諸方で活動するのは」
③ 困難や障害となるものなどを押し切って進む。
※欅の芽立(1936)〈橋本英吉〉二「『家』は絶対だが若い者はそれを踏みこえようとする」

ふみ‐こ・す【踏越】

〘自サ五(四)〙 足で踏んで越す。特に相撲で、思わず足を土俵の外へ出す。
龍舌蘭(1905)〈寺田寅彦〉「頭の上を踏み越さぬばかりに杯盤酒肴を座敷へはこぶ」

ふみ‐こし【踏越】

〘名〙 相撲で、土俵ぎわでもつれた際、思わず足を土俵の外に出した状態。〔相撲講話(1919)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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